「お」や「御(ゴ)」の比べるの

「お」や「御(ゴ)」を何につければよいか迷います。判断基準はあるのでしょうか。

美称(びしょう)や美化語(びかご)の和語(わご①)「お」や漢語「ゴ」について、例えば、「お電話」を「御電話」としてよいか、という質問があります。「電話」は漢字の音読み(字音語(じおんご))なので、語種(ごしゅ)をそろえると「御電話」となります。しかし具体的にな物の名で、身近(みぢか)でありふれた「電話」は字音語でも「御(ゴ・ギョ)」をつけず、普通の和語「お」がつきます。普段より丁寧(ていねい)に畏まって「ご電話」とする場面も想像はされますが、聞きづらい、聞いたこともない、という人がいると考えると、話し言葉では通常の言い方の「お電話」に越したことはないでしょう。

また、「おマンション」や「ご邸宅」は間違いか、と問われます。「おマンション」は、「おビール」と同じように外来語に和語「お」を冠しています。そもそも外国語や外来語には日本語の接頭語(せっとうご)が目立ちますし、違和感も大きいでしょう。不動産や住宅関連の専門的な特殊(とくしゅ)効果(こうか)があるかもしれません。ただし、言われた相手の気持ちが和んで商談つけたように響き(ひびき)、かえって誠実(せいじつ)な対応を感じさせない、という恐れ(おそれ)があります。また「ご邸宅」についても、そもそも話言葉では「邸宅」より「お宅」や「お住まい」のほうが普通です。「邸宅」をさらに褒め言葉として使おうという無理があります。過剰な表現は帰って逆効果にもなりかねません。さらに「業界ではこう言う」と無批判に言い習わしとすることにも、疑問があります。

明らかに座りの良くない表現(例えば今回の「おマンション」)が、一挙(いっきょ)に広まって一般に定着することは、まずあり得ないとお思われます。一方で、今までとは違った言い方が徐々に定着したり、気付かないうちに違和感なく受け入れられたりする、といった変化は、ないとは限りません。現に、従来文章や改まった場面で「ご家族」と使われていたものが、最近口頭(こうとう)で「お家族の方々」と呼ばれる場面があるそうです。

敬意表現には、是非を示唆(しさ)する規範(きはん⓪)や標準のないことも多いですが、少なくとも今までの言葉の伝統に外れ(はずれ)ていないか、現代社会に違和感なく受け入れられるか、を一つ一つ考えることが必要です。時には、美化や美称そのものが本当に必要かどうか、たらもどってみることもです。

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